ブレーメン

ブレーメン、と聞くと、「ブレーメンの音楽隊」を思い出す方が多いと思います。子どもの頃に絵本で読んだことや、みんなで劇をやった方もいらっしゃるでしょう。この童話が有名すぎるためか、どちらかと言うと「お話のなかの地名」のように感じてしまいますが、実際の地名として存在しています。
ドイツの北部、ハンブルクのやや東に位置する大都市です。北部海岸に港を持ち、船舶運航が古くから盛んで、流通の拠点であったことがうかがわれます。このようにグリム童話として語られた当時から繁栄していたため、動物たちが「憧れの街」として、目的地としたのでしょう。ヨーロッパの都市は、大抵お抱えのオーケストラ、室内楽団を持っています。由緒ある楽団で、4匹も腕前を披露しようと企んだのでしょう。
現在も繁栄は変わらず、空港もあります。ドイツのサッカーリーグ、ブンデス・リーガのチーム、ヴェルダー・ブレーメンもたびたびリーグ優勝をしてる強豪として有名です。
余談ですが、ロバ、犬、猫、鶏の4匹の仲間たちは、ブレーメンには到着せず、道半ばで気に入った家に住み着いてしまいました。お話はそこでおしまい、彼らは幸せに暮らしたそうなので、きっとにぎやかな都会暮らしより、年老いた自分たちには向いている、と思い直したのかも知れません。
彼らはたどり着かなかったのですが、ブレーメン市庁舎には、彼ら4匹の銅像が建っています。物語のクライマックス、泥棒団との対決のシーンを模している像で、ロバの上に犬が乗り、その上に猫、てっぺんには鶏が乗った、その姿が形作られています。1953年に出来たというその像は高さ2メートルにも及び、そのロバの前足をなでると願い事が叶うと言うジンクスも、その後出来上がりました。
お料理は、ドイツ文化そのままに、ソーセージの一種、ピンケルとケールのボイルが名物となっています。日本では健康野菜としての位置づけが強く、料理に使うより青汁に入っている、と言う印象がありますが、ケールはヨーロッパではポピュラーな野菜です。ドイツで育てると、日本で作るよりおいしく育つのかも知れません。当地のケールは赤みを帯びるため、茶色に見えるのだそうです。ドイツ読みではケールではなく、コール、と読むようです。4匹がやっつけた泥棒たちも食べていたのでしょうか。そんな風景も浮かぶほど、素朴で飾り気のない一皿です。
ドイツを旅行される際には、ロバの前足をなでに、立ち寄ってみても面白いかも知れません。