ヴィースの巡礼教会

ヴィースの巡礼教会はバイエルン州のシュタインガーデンにあるキリスト教教会で、ユネスコの世界遺産に登録されており、年間100万人もの巡礼者を迎え入れています。

この教会のいきさつは、シュタインガーデンにある修道院にて、痛々しい姿であることから長年しまい込まれていた「鞭打たれるキリストの木像」を農婦マリア・ロリーがもらい受け祈りを捧げていたところ、1738年6月にこのキリスト像が涙を流したといいます。
それを聞きつけた大勢の人が押しかけ、1740年に小さな巡礼堂が作られ鞭打たれるキリスト像はそこに安置されていましたが、手狭になるのを見たシュタインガーデンの修道院長が小さな巡礼堂の代わりに立派なヴィースの巡礼教会を建てました。
当時の高名な建築家ドミニクス・ツィンマーマンにより設計され、1746年に工事が始まり1754年に完成しました。

白壁に赤い屋根の素朴な外観にも関わらず、その内部は豪華絢爛です。
曲線を多用したドイツ・ロココ様式の最高傑作とも言われています。
祭壇画はミュンヘンの宮廷画家バルタザール・アウグスト・アルブレヒトによって描かれ、ヒエロニムス、アンブロジウス、アウグスティヌス、大聖グレゴリウスの4大ラテン教父の像は、チロルの彫刻家アントン・シュトゥルムが制作、壮麗なスタッコ装飾はドミニクス・ツィンマーマン作、その兄にして宮廷画家であったヨハン・バプティスト・ツィンマーマンが天井に描いたトロンプルイユ・フレスコ画は弟のスタッコ装飾と共に、他の追随を許さない素晴らしい内装を創り出しました。

「鞭打たれるキリスト」の像は主祭壇に配され、キリストの血を表す赤い柱と、神の恩寵を表す青い柱に囲まれ飾られています。その周囲にはキリストの復活の象徴である子羊の像、キリストの献身を表すペリカンの像などが配置されています。

このような豪華で壮麗なヴィースの巡礼教会ですが、今も教会として存在しています。
そのため、拝観料などは無く、無料で入ることができますが、日曜日にはミサが行われ、その際は中に入ることはできますが写真撮影は禁止となります。あくまでも参拝者が訪れる場所、ということになります。
ミサが行われている時以外は内部の写真を撮ることができます。

設計及び建築の中心であったドミニクス・ツィンマーマンは死ぬまでヴィースの巡礼教会から離れることなく、近くに家を建てて住んでおり、その家は現在は飲食店が入り残されています。